玄関ドアの塗装工事です。
玄関ドアは家の顔とも言うべき箇所ですので
キレイになると大変引き締まります。
施工前の写真です。木製の玄関ドアはこまめな手入れが大切です。写真でもご覧いただけるように、特に下部は雨、風、太陽にさらされやすく傷みやすいものです。 | 中塗り乾燥後、同じ塗料で上塗りを吹き付け、養生を外して完成となります。 |
<施行手順>
木製の玄関ドアの仕上げ方には幾つか方法がありますが、主に木目を活かしたクリアー仕上げか、ペンキで塗りつぶす仕上げの2通りです。木目を活かす仕上げの場合は一度、既存の塗装を全て削り落として、白木の状態に戻す必要があります。その後、着色をしてクリアーやニス等で仕上げます。木目を活かした仕上げの場合、削りだけで1日か2日かかりますので費用も高くなります。しかし、大変仕上がりは満足いくものになる仕上げです。 | 玄関ドアは大抵、凹凸が多くありますので、刷毛やローラーで仕上げるよりも吹き付けの方がキレイに仕上がります。吹き付けできるように養生をします。 | ブラックをベースにインディアンレッドという赤錆色を加え、ビターチョコのような締まった色にさせて頂きました。 |
木造住宅や木造建築という言葉に象徴されるように建物には多くの木が使用されており、建材の代表は木材であるといっても過言ではないでしょう。その木材は外壁や鉄部と異なり、その素材の特徴から塗料の種類や仕上げの種類が多くあります。その特徴と仕上げの種類はいったいどのようなものなのでしょう。
まず、コンクリートやプラスティック素材、鉄部など他の建築素材と比較した場合の特徴を見てみましょう。
湿機能を備え外の湿度の関係により湿気を吸ったり噴いたりするので伸縮します。
外部に使用し造膜型の塗料で仕上げると伸縮により塗膜が剥がれやすくなります。
コンクリートや鉄部などと比較した場合、生活空間である内部のフローリングや建具など、触れる機会が多い場所に使用されることが多いのが木材です。
木目(板目、柾目、杢目)は、それ自体を意匠(デザイン)として使用することができます。
以上の3つの特徴から
他の素材と異なり、調湿機能をさまたげない「浸透型塗料」や木目を生かした「クリアー仕上げ」や木目を生かしたまま着色される半透明の「着色仕上げ」、天然素材が原料の自然塗料など、素材の特徴ゆえ塗料の種類や仕上げ方もさまざまな種類が存在します。
はじめに木材独自の調湿機能に焦点を当て、木材に塗る塗料を分類してみましょう。
外壁塗装や屋根塗装などの場合、素材との密着機能の下塗り材、素材保護の上塗り材、といったように塗膜で「覆う」工程となるのですが、上記の「木材の特徴」で上げました調湿機能による伸縮性があるため、このような「塗膜で覆う」塗装では調湿機能まで押さえ込み、木材独自の良さまで抑えてしまうことになります。
そこで木材内部に浸透させ、木の呼吸をさまたげることなく保護する機能を持つ塗料が開発されてきました。
いままでの塗膜で覆う「造膜型」の塗料に対し、この浸透して保護するタイプ「浸透性」または「含浸性」の塗料を呼びます。
各々の塗料の種類に関しましては次の項目で御説明させて頂くこととし、ここでは造膜型塗料と浸透性塗料を保護力、質感メンテナンス性の角度から比較させて頂きます。
造膜タイプ (表面に塗膜を造り木材を保護) |
含浸タイプ (木材内部に浸透し保護) |
|
---|---|---|
保護力 | 木材表面に塗膜を造るため耐水性、耐久性ともに浸透型より強く、合成樹脂塗料の場合、その保護力は主成分である樹脂の種類によって決定されます。 | 撥水(はっすい)性や防カビ性は備えていますが、相対的にみた場合塗膜を造らないことから耐水性、耐久性は劣ります。 |
質感 | 塗膜を造るため、触れた際の質感は塗膜の質感になり、木材の質感(木肌)は失われます。 | 表面に塗膜を形成しないため、触った際の木の質感(木肌)は残ります。 |
仕上がり感 | 木目を生かす透明のワニス仕上げやクリアー仕上げ、木目を生かし着色する半透明の「着色仕上げ」、塗りつぶしのエナメル仕上げ等があり、艶あり、5分艶あり等、艶の調整も可能となります。 | 木目を生かす半透明仕上げと塗りつぶしのソリッド仕上げが可能。基本的に艶を調整する事は不可能で、3~4回塗り重ねによって得られる底艶程度。 |
メンテナンス性 | 浸透型タイプと比較し、メンテナンスサイクルは長いのですが、塗膜が木材の伸縮に対応できずワレ、フクレ、ハガレなどの塗膜劣化を起こすことになります。その場合、下地処理段階の劣化塗膜の剥離作業が欠かせないため、作業性は容易とは言えません。 | 塗膜を造らないゆえ雨による乾湿繰り替えしに弱く、造膜タイプと比較した場合、短期間でのメンテナンスの繰り返しが必要となります。造膜タイプと比較しメンテナンスサイクルは短いですが、ハガレやフクレ等が出来ないため下地処理に劣化塗膜の剥離作業がなく、重ね塗りが可能なため造膜型と比較した場合作業性は容易と言えます。 |
分類 | 塗料名 | 備考 | |
---|---|---|---|
造膜型 | 合成樹脂塗料 | 油性調合ペイント | 過去に広く使われていたもの |
合成樹脂調合ペイント | |||
フタル酸樹脂塗料 | |||
アクリル樹脂塗料 | 内装木部に使用。シックハウスや環境問題に対応 | ||
ウレタン樹脂塗料 | 外装木部に使用。耐久性に優れる | ||
天然樹脂塗料 | 漆、カシュー塗料、セラック樹脂塗料 等 | 古くから使われているもの | |
自然塗料 | シックハウスや環境問題に対応 |
一般塗料の中で最も歴史があり、「ペンキ」の名で親しまれてきたのがこの塗料です。以下にあげる塗料に比べ乾燥時間が長く艶退けが早い為、いまでは歴史的な建造物の質感を失わないためこの塗料が指定される程度で、「高耐久、低価格、短工期」といったニーズに合わなくなり、以下で御紹介する塗料の開発が進むにつれ姿を消す事になります。
油性調合ペイントの短所の問題に科学的に改良を加え、現場ニーズに合わせた塗料です。油性調合ペイントと比較し乾燥時間が早く、艶引けが少ないため、主に調合ペイントの代わりとして使われるようになりました。
昭和30年代、化学技術の発達によりアルキド樹脂が開発された事により市場化された塗料です。油性調合ペイント、合成樹脂調合ペイントを比較し仕上り感に優れ、塗膜強度も強く、仕上方法は透明のフタル酸樹脂ワニス仕上げ、不透明のフタル酸樹脂エナメル仕上げがあります。
最近では木部の塗装として使用されるのは、アクリル樹脂塗料の中でも水性反応型のアクリルエマルション塗料となります。近年のシックハウス症候群や化学物質過敏症の問題の中、特に内部の木部において合成樹脂調合ペイントやフタル酸樹脂塗料の代用として新しく開発された塗料です。
ここで御紹介させて頂いた合成樹脂塗料のなかで最も耐久性に優れています。水性反応型と溶剤系に分類され、さらに溶剤系は一液型と二液型の塗料に分けることができます。仕上げ方法は、透明の「クリアー仕上げ」、着色し木目を生かす「着色仕上げ」、塗りつぶしの「エナメル仕上げ」など多彩です。ただし、クリアー仕上げは紫外線に弱いため、外部に使用した場合剥がれや割れが出やすく、マメはメンテナンスが必要となります。
木材の塗装では、紫外線や雨などによる劣化よりも素材の伸縮からの劣化が早く、木部用の塗料としてシリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料が使用される機会が少ないため、御紹介を控えさせて頂いています。
古くは「漆」がこの分類にあてはまり、カシューナットシェルオイルを主成分とした「カシュー塗料」、「ダンマル樹脂」や「コパル樹脂」の樹液や昆虫の分泌液によるセラック樹脂などの天然樹脂塗料があります。セラック樹脂塗料仕上げは「フレンチポリッシュ」と呼ばれ西洋では古くから家具の仕上げ材として使用されております。
分類 | 塗料名 | 備考 | |
---|---|---|---|
浸透型 | 石油化学合成による塗料 | 木材保護着色塗料 | 外装木部に使用。木材の調湿機能を生かしながら紫外線や雨から保護する |
天然油脂による塗料 | 柿渋 | 古くから使われているもの。 内装木部や家具など。 |
|
自然塗料 | 主に内装木部用。シックハウスや環境問題に対応 |
古くは「漆」がこの分類にあてはまり、カシューナットシェルオイルを主成分とした「カシュー塗料」、「ダンマル樹脂」や「コパル樹脂」の樹液や昆虫の分泌液によるセラック樹脂などの天然樹脂塗料があります。セラック樹脂塗料仕上げは「フレンチポリッシュ」と呼ばれ西洋では古くから家具の仕上げ材として使用されております。
ステインに防腐、防カビ剤などの添加剤が含まれている塗料で、特に外部において調湿機能を生かしながらも紫外線や雨などからいかに保護するかという命題の下、開発れた塗料といえます。製品の多くは油性系でありますが、近年の環境対応の必要性から水性のものも製品化されてきています。
・キシラデコール:日本エンバイロケミカルズ
・シッケンズ:トーヨーマテリア
・ガードラック:和信化学工業
・ノンロット:三井化学産資
・VATON:大谷塗料
(浸透型塗料は天然樹脂ではなく天然油脂塗料となります)
古くは「柿渋」がこの分類にあてはまり、「桐油」や「あまに油」など浸透性の天然の油脂を木部に浸透させることで保護する塗料をいいます。
そして、この仕上げ方は「オイルフィニッシュ」とも呼ばれ、「オイルフィニシュ」のあと「ワックス」と組み合せて使用されることも多く、内部木部や家具など木肌の質感を残したまま木目を引き出す仕上げに最適です。
天然樹脂塗料同様、合成樹脂塗料の台頭により一時姿を見せなくなるのですが、シックハウスの問題や環境対応など時代の要請に従い、再び「自然塗料」として注目されている塗料で、ドイツから輸入されている塗料も普及しはじめています。
尚、天然油脂を主成分としたものは相対的に耐久性に欠けるため、多くの製品は内部木部用となりますが、一部の製品は防腐剤や防カビ剤を添加することにより、外部木部用として市場化されています。
[神奈川県全域]
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